SAYURI:アメリカ人が見る芸者の物語
中国では、上映禁止になった映画。アメリカ人が描いた芸者をモデルにした映像ですから、日本人から見ると違和感がありますが、きれいな映画でした。名優・渡辺謙を中心に、「初恋の来た道」でデビューし、最近では世界的女優となったチャン・ツイィーと「菊豆」のコン・リーの女性の闘い。その脇を、「グリーン・デスティニー」のミシェル・ヨーと桃井かおりが締める。
チャン・ツィイーの活躍は目覚しいですね。最近では、「英雄」「輪舞曲」などにも主演し、国境を越えた女優となりました。コン・リーは、中国の山口百恵と言われていましたが、最近では「たまゆらの女」で、さらに磨きがかかったようです。
このストーリーは、芸者世界の物語ですから、未知との出会いばかりです。映像は、スピルバーグが制作に係わっていることもあって、全体的な暗いイメージになりがちの映画が、桜や竹を背景にした映像を使い、まぶしい感じの出来上がりになっています。
しかし、芸者の「操」の額を競り合うという生めかしさは、エキゾチックなのですが、チャン・ツィイーの少女っぽさとコン・リーの妖艶さが、日本的な泥臭さを払拭して、全体的に芸術的作品にしていますね。「芸者には選ぶ道はなかった」と言いながら、淡々と語られていくナレーターの下で、少女から芸者になった女性と男性は結ばれていくのですが、戦中・戦後という激動の時代背景が、作品自体を重くしています。一見の価値がある映画です。
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